お風呂場や大切な衣類に生えてしまったカビを落としたいとき、酸素系漂白剤はとても便利な道具です。
つんとした強い臭いが少なく、色や柄がついた服にもつかえるのが大きな利点です。
ただし、カビの根っこが深い場合には、お湯の温度やつけおきする時間に気をつける必要があります。
この記事では、酸素系漂白剤でカビを落とす具体的な手順や注意点をわかりやすく解説します。
・酸素系漂白剤が効くカビの種類と塩素系とのちがい
・服やお風呂のパッキンに合わせたカビの落とし方
・自分では落とせないカビをみわける基準
酸素系漂白剤でカビは落ちる?除菌の効果と塩素系との使い分け
酸素系漂白剤がカビに効くかどうかは、そのカビの種類や生えている場所によって決まります。
まずは、なぜ酸素の力で汚れが落ちるのか、その仕組みを知ることから始めましょう。
色柄物やデリケートな素材のカビ取りに最適な理由
酸素系漂白剤の主な成分は、過炭酸ナトリウムという物質です。これが水に溶けると、たくさんの酸素の泡が発生します。
この泡がカビのタンパク質をバラバラに分解して、汚れを浮かせてくれるのです。
塩素系漂白剤のように、素材そのものの色を真っ白に抜いてしまう力が強くないため、色がついたタオルや模様のある服でもつかいやすいのが特徴です。
・色が鮮やかなお気に入りのシャツ
・柄が入ったバスタオルやキッチンマット
・布製のカーテンやクッションカバー
これらの布製品に生えたぽつぽつとしたカビには、酸素系漂白剤がつかいやすいといえます。
黒カビの根まで除去できるケースとできないケース
カビには、表面にふわふわ浮いているだけのものと、素材の奥まで根っこを伸ばしているものがあります。
酸素系漂白剤が得意なのは、表面に近いところにいるカビや、布の繊維の間に入り込んだばかりのカビです。
一方で、ゴムパッキンの奥まで根を張って、真っ黒な点々になってしまったカビを完全に消し去る力は、そこまで強くありません。
・表面に軽くついているだけの白いカビや赤いヌメリ
・ついたばかりで、まだ色が薄い黒カビ
・プラスチックの表面にこびりついた汚れ
このような状態であれば、酸素系漂白剤で十分にきれいにすることができます。
しかし、何ヶ月も放置して素材の奥まで色が染み込んでしまったカビは、プロがつかう強い薬でないと落とせないこともあります。
カビの状態に合わせて、酸素系でいけるのか、それとももっと強いやり方が必要なのかを判断することが大切です。
効果を高める酸素系漂白剤の種類とカビに合わせた選び方
お店で売られている酸素系漂白剤には、粉末のものと液体のものの2つの形があります。
これらは成分の強さがちがうため、落としたいカビの頑固さに合わせて選ぶ必要があります。
頑固な汚れを剥がし落とす粉末タイプの強み
カビをしっかりと落としたいときは、粉末タイプを選ぶのが一番です。
粉末タイプは液体タイプよりもアルカリの力が強く、カビを分解する力が高いのが特徴です。
お湯に溶かすとシュワシュワと勢いよく泡が出て、カビを根元からはぎ取ってくれます。
(1)グラフィコのオキシクリーン(日本版)などの粉末製品
(2)シャボン玉石けんの酸素系漂白剤などの過炭酸ナトリウム100パーセントのもの
(3)コストコなどで売られている、洗浄成分が入った海外製の粉末
これらは汚れを落とす力が強いため、お風呂場の床や、カビの生えたシーツなどをまとめて洗うときに活躍します。
日々の除菌と部分洗いに向く液体・スプレータイプ
液体タイプの酸素系漂白剤は、粉末タイプよりも反応がおだやかです。
そのため、ウール(羊の毛)やシルク(絹)といった、より繊細な素材にもつかえるものが多いです。
また、スプレータイプであれば、カビを見つけたときにその場ですぐに吹きかけることができるので、手間がかかりません。
・花王のワイドハイターEXパワーのような液体ボトル
・ライオンのブライトSTRONGといった衣類用液体
・泡で出てくるスプレータイプの部分洗い用洗剤
これらは、カビがひどくなる前の「ちょっとした汚れ」や、毎日のお洗濯の中で除菌をしたいときにつかうのがいいでしょう。
カビを根こそぎ落としたいなら「粉末」、手軽につかいたいなら「液体」と覚えておくと迷いません。
酸素系漂白剤で衣類のカビを傷めずに落とす「つけおき」の手順
服に生えたカビを落とすには、ただ洗濯機に入れるだけでは足りません。「つけおき」という、時間をかけて薬を浸透させるやり方が必要になります。
40度から60度のお湯が反応を促進させる鍵
酸素系漂白剤をつかうときに、もっとも大事なのがお湯の温度です。水で溶かしても酸素の泡があまり出ないため、カビは落ちません。
逆に、熱湯をつかってしまうと、一気に泡が出て終わってしまい、カビを分解する時間が足りなくなります。
また、熱すぎるお湯は服の繊維をボロボロにしてしまうこともあるので注意が必要です。
・給湯器の設定を45度から50度くらいにする
・お風呂の温度よりも少し熱いと感じる程度のお湯をバケツに入れる
・冬場はお湯がすぐに冷めるので、バケツに蓋をする
この温度を守ることで、酸素系漂白剤が一番元気に働いて、カビを効率よくやっつけてくれます。
30分から1時間の放置でカビ細胞を分解する
お湯の中に酸素系漂白剤をしっかり溶かしたら、カビが生えた服を入れます。
ここで大事なのは、そのまましばらく待つことです。時間は30分から1時間くらいがちょうどいいです。
短すぎるとカビが死にきりませんし、2時間を超えて長くおきすぎると、今度は服の色が変わってしまう心配が出てきます。
(1)お湯4リットルに対して、粉末の漂白剤を大さじ2杯から3杯入れる
(2)服が浮いてこないように、上から手で押したり重しをしたりしてしっかり沈める
(3)30分たったら、カビがあった部分を指で軽くこすってみて、汚れが落ちているか確認する
じっくり待つことで、酸素の泡が繊維の奥まで入り込み、カビの種まで分解してくれます。
素材の変色を防ぐための事前の色落ちテスト
酸素系漂白剤は色柄物につかえますが、すべての服に安全というわけではありません。
特にもともとの色が落ちやすい服だと、漂白剤によって色が薄くなってしまうことがあります。
作業を始める前に、目立たない場所でチェックをしましょう。
・服の裏側の縫い目など、表から見えない場所に薄めた液をつける
・そのまま5分くらいおいて、白い布やティッシュで軽く押さえる
・布に服の色が移らなければ、そのまま洗っても大丈夫と判断する
このひと手間をかけるだけで、大事な服を台無しにしてしまう失敗をなくすことができます。
正しい温度と時間を守り、事前の確認をしっかり行うことが、服のカビ取りを成功させる秘訣です。
お風呂やキッチンのパッキンに効く「ペースト状」の酸素系漂白剤活用術
お風呂場の壁や、キッチンの水道のまわりにあるゴムパッキンは、カビがつきやすい場所です。
ここは平らではないため、液体のままだとすぐに流れていってしまいます。
そこで、漂白剤を練り歯磨きのような「ペースト状」にしてつかうのが効果的です。
液だれを防ぐ粉末+少量の水の黄金比
垂直な壁やゴムの部分に薬を長くとどまらせるために、ドロドロとしたペーストを作ります。粉
末の酸素系漂白剤に、少しずつお湯を足しながら混ぜていきましょう。スプーンで持ち上げても、ぽたぽた落ちてこないくらいの固さが理想です。
・粉末の漂白剤3に対して、お湯を1くらいの割合で混ぜる
・一度にたくさん作らず、使う場所に合わせて少しずつ用意する
・より汚れを落としやすくしたいときは、重曹を少し混ぜるのもよい
このように固さを調整することで、カビがいる場所にぴったりと薬をくっつけることができます。
ラップで密閉して成分を奥まで浸透させる方法
作ったペーストをカビの上に塗ったら、その上からキッチン用のラップを被せます。
これをすることで、せっかくの薬が乾燥して固まってしまうのを防げます。
また、ラップで閉じ込めることで、酸素の泡がカビの奥深くへと入り込みやすくなります。
(1)カビが見えなくなるくらい、たっぷりと厚くペーストを塗る
(2)ラップを上からぴたっと貼り付けて、空気が入らないようにする
(3)そのまま1時間から2時間ほどおいておく
こうしてパックをすることで、ただ洗剤をかけるよりもずっと深く、カビの汚れまで薬が届くようになります。
残ったヌメリを完全に洗い流す仕上げのコツ
時間がたったら、ラップをはがしてペーストを洗い流します。ここで薬が残ってしまうと、乾いたときに白く固まったり、ゴムがヌルヌルしたりしてしまいます。古くなった歯ブラシなどで軽くこすりながら、水でしっかりと流しましょう。
・シャワーの勢いをつかって、隙間の奥に入った粉を追い出す
・ぬるま湯で流すと、溶け残った成分が消えやすくなる
・最後に乾いたタオルで水分をふき取って、カビが好む湿気をなくす
仕上げに水分をしっかりふき取ることで、新しいカビが生えるのを防ぐことができます。
ペースト状にしてラップでパックするやり方は、お風呂場の頑固なカビにとても効果的なので、ぜひ試してみてください。
酸素系漂白剤でカビ掃除をする際に守るべき注意点
酸素系漂白剤は便利なものですが、つかい方を間違えると体に害があったり、家の中のものを傷めたりすることがあります。
安全に掃除をするために、5つの大事な約束を守りましょう。
アルカリによる手荒れを防ぐ保護具の着用
酸素系漂白剤を水に溶かした液はアルカリ性です。
これは手の皮膚のタンパク質を溶かす性質があるため、直接触り続けると手が荒れてカビカビになってしまいます。
作業をするときは、必ず手袋をはめましょう。
・肘まであるような長めのゴム手袋をつかう
・目に入ると危ないので、しぶきが飛びそうなときは眼鏡をする
・粉を吸い込まないように、ペーストを作るときはマスクをする
自分の体を守りながら掃除をすることが、なによりも一番大切です。
カビ胞子の飛散とガス滞留を防ぐ換気の徹底
カビ掃除をしている間は、目に見えないカビの種(胞子)が空気中にたくさん舞っています。
また、漂白剤が反応している間も空気がこもりやすいため、しっかり空気を入れかえる必要があります。
(1)窓を2つ以上開けて、風が通り抜けるようにする
(2)換気扇を一番強い設定で回し続ける
(3)掃除が終わった後も、30分くらいはそのまま空気を入れかえる
新鮮な空気の中で作業をすることで、カビの種を吸い込むリスクを減らすことができます。
ステンレス以外の金属やウール素材への使用制限
酸素系漂白剤は、つかってはいけない素材があります。
特に金属製品は、ステンレス以外だと色が黒く変わってしまったり、錆びてしまったりすることがあるので、絶対に近づけないようにしましょう。
・アルミ製の鍋や、キッチンの換気扇フィルターにはつかわない
・ボタンが金属でできている服や、アクセサリーがついた服は避ける
・毛(ウール)や絹(シルク)などは、専用の液体タイプ以外はつかわない
大切なものを壊さないために、つかう前に素材がなにかをよく確認するクセをつけましょう。
塩素系漂白剤との併用による有毒ガスのリスク
一番気をつけなければいけないのが、ほかの洗剤と混ぜることです。
特に「カビキラー」などの塩素系漂白剤と酸素系漂白剤を混ぜると、とても体に悪いガスが発生する危険があります。
・同じ日に2種類の漂白剤をつかうのはやめる
・もしどうしてもつかいたいなら、前の洗剤を大量の水で完全に流してからにする
・洗剤を混ぜるためのバケツなどは、しっかり洗ってからつかう
「混ぜたら危ない」ということを常に頭に入れて、シンプルなやり方で掃除をしましょう。
お湯の温度を上げすぎないこと
「熱いほうが汚れが落ちそう」と思って、沸騰したお湯をつかうのは逆効果です。熱すぎると酸素が一気に逃げてしまい、カビを分解する力がなくなります。
・お湯の温度は、最高でも60度までにする
・温度計がないときは、給湯器のデジタル表示を信じる
・熱湯は服の生地を傷める一番の原因になると知っておく
正しい温度を守ることが、一番安全で一番きれいにカビを落とす近道です。
これらの注意点をしっかり守れば、酸素系漂白剤を安心してつかいこなすことができます。
酸素系漂白剤でも落ちないカビをプロにまかせるべき境界線
どれだけ頑張って酸素系漂白剤で掃除をしても、どうしても落ちないカビはあります。
無理をして何度も強い薬をつかうと、家の素材を傷めてしまうので、プロに頼むタイミングを見極めることが大事です。
ゴムパッキンの内部まで色素が沈着している場合
お風呂場のゴムパッキンにできた黒い点々を、ペーストで何度もパックしても色が消えないときは、すでにカビがゴムの中まで入り込んでいます。
この状態でさらに無理をすると、ゴムがボロボロになって、そこから水が漏れて壁の裏側までカビてしまうことがあります。
・3回以上パックを試しても、黒い色が全く薄くならない
・ゴムを触ったときに、表面がザラザラしたり欠けたりしている
・カビが広がりすぎて、どこから手をつけていいかわからない
正直に言うと、ゴムパッキンの奥まで入り込んだ黒い点々は、家庭での掃除では落ちないことが多いです。こうなったら、プロの技術が必要なサインです。
エアコン内部や壁紙裏など広範囲に繁殖したカビ
目に見える場所以外にカビが広がっているときも、自分での掃除はおすすめしません。
たとえば、エアコンの吹き出し口にカビが見えるなら、その奥にある機械の中はもっとカビだらけになっているはずです。
ここを自分で触ると、故障の原因になるだけでなく、カビの種を部屋中にまき散らすことになります。
(1)エアコンをつけると、カビくさい嫌な臭いがする
(2)壁紙が浮いてきて、その隙間から黒いものが見える
(3)家具を動かしたら、壁一面が真っ黒になっていた
こうした広い場所や機械の中のカビは、専用の道具で丸洗いする必要があります。
ここから先は無理をすると素材を傷めるので、私ならプロに相談することをおすすめします。
酸素系漂白剤を何度も試しても再発を繰り返すとき
「掃除をしたときはきれいになるのに、2週間たつとまた同じところにカビが生える」という場合は、掃除のやり方ではなく、部屋の環境に問題がある可能性が高いです。
目に見えないカビの種が空中にたくさん浮かんでいたり、壁の裏で結露(水滴がつくこと)が起きていたりするかもしれません。
・こまめに掃除をしているのに、すぐにカビが生えてくる
・部屋全体がいつもジメジメしていて、空気が重いと感じる
・家族が咳き込んだり、肌が荒れたりするなど健康が心配
プロの業者は、ただ汚れを落とすだけでなく「なぜカビが生えるのか」という原因まで調べてくれます。
無理をして家を傷めてしまう前に、専門の知識を持った人に相談することが、一番の解決策になることがあります。
カビのない部屋をたもつための具体的な再発防止策
カビをきれいに落とした後は、二度と生えてこないように工夫することが大切です。
カビが好む「水分」と「汚れ」を家の中に残さない習慣を身につけましょう。
・お風呂から上がるとき、壁や床に冷たい水をかけて温度を下げる
・窓をこまめに開けて、家の中に湿った空気をためないようにする
・エアコンを止める前に、1時間ほど「送風」運転をして中を乾かす
これらのちょっとした工夫で、カビが住みにくい環境を作ることができます。
(1)湿度の対策:雨の日や冬場は除湿機をまわして、湿度が60パーセントを超えないように気をつける。
(2)汚れの除去:カビの餌になるホコリや食べかすを、掃除機やクイックルワイパーでこまめに取り除く。
(3)空気の通り道:タンスやベッドと壁の間を5センチほど離して、風が通るようにする。
カビは一度生えてしまうと大変ですが、生えないように気をつけるのは意外と簡単です。
自分でできるケアと、プロによる定期的な大掃除を組み合わせることで、1年中気持ちよく過ごせるお家をたもつことができます。
もし、自分ではどうしても落とせないカビを見つけたら、ひどくなる前にぜひクリーンスマイルズへご相談ください。
LINEでのご相談、お待ちしております。