「業者に頼むと高いから、市販のスプレーで自分で掃除したい」
しかし、実はスプレーを使うと、内部で洗剤が固まって水漏れを起こしたり、最悪の場合は発火事故につながり家を失う恐れがあります。
節約のつもりが、エアコンの買い替えでそれ以上の出費になるケースも少なくありません。
この記事では、なぜスプレー掃除が危険なのかという理由と、安全に汚れを落とすための正しい判断基準を解説します。
結論:エアコン掃除にスプレーは「良くない」と断言できる3つの理由
ドラッグストアで手軽に買える商品ですが、エアコンの構造を知る専門家ほど使用を避けます。
その背景には、取り返しのつかない事故につながる危険性があります。
構造的に「洗剤をすすげない」ためカビの餌になる
エアコン洗浄スプレーは、吹き付けた後に水で洗い流す工程が含まれていません。
成分が内部に残ると、時間の経過とともに変質し、カビやバクテリアの養分となります。
一時的に良い香りがしても、数週間後にはスプレーを使用する前よりもカビが増殖し、悪臭が強くなる事例が多発しています。
電装部品に液体がかかり「火災・故障」のリスクがある
エアコンの右側には、制御基板やモーターなどの精密な電子部品が集中しています。
スプレーの勢いで洗浄液が飛び散り、これらの部品に付着すると、ショートやトラッキング現象を引き起こします。
これが原因でエアコンから発火する火災事故が毎年報告されており、公的機関も注意を呼びかけています。
汚れを落とすのではなく「奥に押し込む」だけで逆効果
スプレーの噴射力だけでは、熱交換器(アルミフィン)の厚みのある汚れを貫通できません。
表面のホコリやカビを、手が届かない奥の方へ押し込む結果になります。押し込まれた汚れは排水経路を塞ぎ、深刻な詰まりの原因を作ります。
具体的に何が起きる?エアコン掃除スプレーの5つのデメリット
実際にスプレー掃除を行なった後に発生するトラブルは、単なる「失敗」では済まないこともあります。
①薬剤が固まりドレンホースが詰まって「水漏れ」する
洗い流されなかった洗浄成分とホコリが混ざり合い、粘度の高いヘドロとなって排水ホース(ドレンホース)を詰まらせます。
排水の行き場がなくなると、室内機から水があふれ出し、壁紙や床を汚損します。マンションの場合は階下への水漏れ事故に発展することもあります。
②プラスチック部品が薬剤で劣化し「破損」する
洗浄スプレーに含まれる界面活性剤や溶剤によっては、エアコン内部の樹脂パーツ(プラスチック)を劣化させる性質があります。
長期間付着したままになると、ドレンパンやファンに亀裂が入り、部品交換が必要になります。
古いエアコンほど、この「ケミカルクラック」と呼ばれる破損が起きやすくなります。
③中途半端な洗浄で余計に「カビ臭さ」が悪化する
スプレーで濡れた内部は、カビにとって最適な湿潤環境になります。
汚れを完全に取り除けていない状態で水分だけを与えると、カビの繁殖スピードが加速します。
掃除をした数日後に、酸っぱい臭いや雑巾のような臭いが強くなるのはこのためです。
なぜメーカー推奨外なのに「エアコン洗浄スプレー」は売っているのか
「そんなに危険なら、なぜ普通に売られているの?」と疑問に思うのは当然です。
商品は決してわるくはありませんが、使用条件が非常に限定的であることが誤解を生んでいます。
あくまで「フィン(金属部分)の表面」を洗うための商品だから
市販のスプレーの多くは、フィルターを外してすぐ見える「熱交換器(アルミフィン)」の表面を洗浄することを目的としています。
風を送り出す奥のファンや、水を受け止めるドレンパンを洗うためのものではありません。
パッケージの裏面にも、使用範囲が限定されていることが記載されています。
ファンや奥の汚れまで落とすとは記載されていない
消費者は「エアコン全体がきれいになる」と期待しがちですが、スプレーが届く範囲は全体のほんの一部です。
臭いの主な原因である送風ファンや、カビが溜まりやすいドレンパン内部までは洗浄できません。
構造上、スプレー1本ですべてを解決することは不可能です。
使用難易度が高くプロ並みの養生技術が前提になっている
安全に使用するには、電装部品に一滴も液がかからないよう、ビニールで完璧に覆う「養生」の技術が必要です。
慣れていない人が見よう見まねで行うにはハードルが高く、わずかな隙間から液漏れして故障につながります。
商品自体に問題はなくても、使いこなすのが極めて難しいのです。
すでにエアコン洗浄スプレーを「使ってしまった」場合の対処法
もしこの記事を読む前にスプレーを使ってしまい、不安を感じているなら、
以下の手順で状況を確認してください。
直ちに大量の水(霧吹き等)ですすぎを行うことは困難
内部に残った薬剤を洗い流そうとして、霧吹きで水をかける方がいます。
しかし、水量が足りないと逆に汚れを広げるだけです。
また、受け皿を用意せずに大量の水をかければ、部屋中が水浸しになります。自力でのリカバリーは非常に困難です。
異音や焦げ臭いにおいがしたら即座に電源プラグを抜く
運転中に「ジー」という異音がしたり、焦げ臭いにおいがしたりする場合は、内部で電気ショートが起きています。
火災の原因になりますので、すぐに運転を停止し、コンセントを抜いてください。
その後、メーカーや修理業者へ連絡する必要があります。
不安な場合はプロに「スプレーを使った」と伝えて洗浄依頼を
異常がなくても、薬剤残りが心配な場合は、早めにプロのクリーニングを依頼してください。
その際、必ず「市販のスプレーを使用した」と伝えてください。固まった薬剤を除去するために、通常よりも念入りな洗浄が必要になるからです。
スプレー以外なら「エアコンスキマワイパー」等は使ってもいい?
スプレーが駄目なら、拭き掃除タイプの道具はどうでしょうか。これらは用途を守れば安全に使用できます。
吹き出し口やルーバーなど「届く範囲」なら有効
棒の先にシートを巻きつけたタイプの清掃用具は、吹き出し口周辺やルーバー(羽)のカビを拭き取るのに有効です。
液体を使わないため、電装部品を濡らして故障させるリスクが低く、目に見える汚れを除去する手段として推奨できます。
ただし奥のファンや熱交換器に無理やり突っ込むのはNG
シートを無理に奥まで押し込むと、送風ファンに接触して羽を折ったり、軸を歪ませたりする恐れがあります。
また、熱交換器の薄い金属板は簡単に曲がってしまうため、硬い棒で触れるのは避けるべきです。あくまで手前を掃除するための道具です。
あくまで「目に見えるホコリ」を取る道具と割り切る
スキマワイパーで取れるのは表面のカビやホコリだけです。 内部に入り込んだ汚れまでは除去できません。
「見た目をきれいにする応急処置」と割り切り、根本的な洗浄は別の方法を考える必要があります。
エアコン内部の汚れを「安全・確実」に落とす唯一の方法
リスクを冒さずにエアコンをきれいにするには、結局のところプロによる分解洗浄が最も合理的です。スプレーとは工程が根本的に異なります。
スプレーでは不可能な「大量の水でのすすぎ」が必須
プロのクリーニングでは、専用のカバーをかけて部屋を保護し、高圧洗浄機を使って10リットル以上の水で内部を丸洗いします。
洗剤と汚れを完全に洗い流すため、カビの栄養源が残らず、洗浄後の清潔さが長持ちします。これはスプレーでは絶対に再現できない工程です。
分解洗浄なら電装部を濡らさず火災リスクゼロ
専門知識を持つ業者は、カバーを外して電装部品をビニールで養生し、水がかからないように徹底します。
または、電装部品そのものを取り外して洗浄します。構造を理解しているからこそできる安全対策であり、火災事故のリスクを回避できます。
プロに任せれば「補償」もあり結果的にコスパが良い
万が一作業中に破損などが起きても、損害賠償保険に加入している業者なら修理費を補償してくれます。
まとめ:エアコン掃除スプレーはデメリット大!リスクを避けてプロへ
「安く済ませたい」という気持ちでスプレーを手に取っても、その代償として火災や故障、水漏れといったリスクがあります。
エアコンは水と電気を同時に扱う精密機器であり、専門知識のない状態で内部を濡らす行為は危険です。
表面のホコリはフィルター掃除やワイパーで対応し、内部の汚れはプロに任せる。
この使い分けこそが、エアコンを長く安全に使い続けるための正解です。
クリーンスマイルズでは、民泊清掃のプロとして、安全で確実なエアコンクリーニングを提供しています。